» 2013 » 9月のブログ記事

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こんにちは、神戸のベスト相続相談協会の岩佐です。

 

【急いては事を仕損じる】ということわざがありますね。

何事も焦ってやると失敗しがちです。

相続の現場においても、この言葉はホントに当てはまると身にしみます。

 

【相続税】を誰しも強く意識する瞬間があります。それは家族が亡くなる直前。

過去の私どもの事例でも、こんなことがありました。

一代で高収益企業に育て上げたオーナー経営者の相続の時です。

多額の個人資産をお持ちでいらっしゃいますので、かなり以前より私どもは社長夫人

に相続対策の必要性を説いておりました。

すると、こう言われました。

 

「私は、税金はキレイに払いたいと思います。

世の中には相続税対策とか言って、いろんなことする人いるけど、私はそういう人、

嫌いなの。だから、何もしなくていいわよ。」

 

税務署の職員の方が聞くと泣いて喜びそうなコメントですね。(苦笑)

まあ、そう言われると私どもとしても仕方ありませんので静観しておりました。

 

そして数年経過し、オーナー経営者が危篤状態との一報が…

そして、社長夫人の方があわてて私どものオフィスに飛び込んできて、

 

「うちの主人はいつどうなるかわからない状態になっています。

相続税はいったいどうなるんでしょう?

どのくらいの税金になるのか、ほんとに心配です。

今のうちに主人の預金通帳とか急いで私の名義に変えておいた方がいいですか?」

 

だから言ったことじゃないということですが…(笑)

こういうケースはほんとに多いのです。

人間だれしも土壇場にならないと動かないんですね。

 

ただ押さえておくべきことは【死亡間際の対策は失敗しやすい】ということ。

なぜなら、被相続人が亡くなる直前にあわてて行った対策は、税務上のリスクが

大きいからです。

 

わが国の税制は人間の心理をよく読んでいます。

誰でも考えそうな租税回避行為には、課税の網がかけられています。

 

▼相続開始前3年以内に被相続人から財産の贈与を受けている場合、その財産は

相続財産の中に含められてしまう

 

という規定があります。

つまり、せっかく生前贈与をして相続財産を減らしても、その後3年以内に

被相続人が死亡した場合は、節税対策にならず、ムダに終わってしまうのです。

 

また、本人が病気になってから、あるいは亡くなる直前になってから、養子縁組

をしたり、借金をして不動産を購入したりすると、税務署とのトラブルになります。

 

税務署から見ると、これらの行為は極めて不自然で、本人がやったのではなく、

相続人が勝手にやったものとみなされてしまうのです。

税金逃れ目的が見え見えと映るわけです。

 

【急いては事を仕損じる】ということわざを再認識して下さいね。

 

誰しもいつか必ず直面する相続。

明日に向かって、相続を“爽族”にしていきましょう。