こんにちは、神戸のベスト相続相談協会の岩佐です。
今年も残りわずかとなりましたね。
年末が迫ってくると、相続の世界でも【生前贈与】の年内完了がポイントに
なってきますが、相続対策が必要な方々に抜かりはないでしょうか?
相続対策の基本中の基本は、生前に財産を移転しておくこと。
贈与が【いつ】あったかによって課税関係に大きな影響を及ぼします。
贈与税の計算単位は【暦年(1~12月)】だからです。
また相続開始前3年以内の生前贈与した財産は、相続税の計算上、相続財産
に加算されます。
さらに不動産を贈与する場合、年内の贈与か、年明けの贈与かによって、
不動産の相続税評価額の計算上、適用する「路線価」が変わってくる場合
があります。
以上の背景から、贈与の日付を贈与契約書上で明確にしておくことは
大変重要な意味を持ちます。
ただ贈与契約書を作成したものの、その有効性が問題になるケースが
あります。
それは契約書上の贈与の日付が【自署】ではなく、パソコンによる印字が
なされている場合です。
これは将来の遺産分割協議の際や相続税の税務調査を受けた場合に、
日付をバックデイトして作成されたと、あらぬ詮索を受けるリスクがあります。
よって、贈与の意思のタイミングを明確にするため、
▼贈与者(あげる人)
▼受贈者(もらう人)
の【自署】でもって、契約書上の日付を記入するようにして下さい。
つまり後で筆跡鑑定されても問題ないように万全を期して頂きたい
と思います。
自署が基本になるというのは、相続発生後の遺産分割協議書と同じです。
ただ幼少の孫へ贈与する場合はどうすればよいのでしょうか?
幼少の子供であれば、自分の名前すら書けないこともあるでしょう。
この場合、受贈者(もらう人)の名前をパソコンによる印字になっても
構いません。ただし、親権者の自署は絶対不可欠です。
民法824条の「親権を行う者は子の財産を管理し、かつ、その財産に
関する法律行為についてその子を代表する」に基づくわけです。
なお、贈与契約書上の【押印】は必ずしも実印じゃなくても問題ありません。
ただ重要な財産や高額な財産の贈与に関する契約書の場合、
近くの文房具屋さんで買ってきたかのようなハンコであれば、
「こんな安っぽいハンコで大丈夫?」と、あらぬ詮索を受けかねません。
よって、実印がベストでしょう。
以上のように、契約書さえ作っておれば、贈与は法的に成立したと
100%みなされるわけではありません。
署名と押印の問題も十分に注意を払って下さい。
年内に贈与を完結させたい財産がある場合、詰めが甘くならないように
して下さいね。
相続はすべてのご家庭に起こります。
明日に向かって相続を“爽族”にしていきましょう。
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