» 2015 » 1月のブログ記事

こんにちは、神戸のベスト相続相談協会の岩佐孝彦@税理士です。

高齢化社会の進展に伴い、相続に対する今国民の関心が高まる中で、

信託銀行、FP、不動産、保険など猫も杓子も相続マーケットに参入し、

情報が氾濫しています。

このような状況の中で大切なのは、自分の頭で情報を精査し、判断する力

です。これができないと、色んな業者のセールストークに騙されて、他の人

の意見に流されてしまいます。人間誰しも物事を自分に都合の良いように

考えてしまう悪癖があります。

ただ自分のお金のリスクを取るのは自分自身です。自分で判断し、自ら責任

を背負うことができない相続対策はすべきではありません。

 

近年の相続ビジネスのヒット商品として、金製の仏具も注目を浴びています。

中には5000万円もする金製仏具セットを購入される人も出ています。

貴金属としての価値があり、「安全資産」とされる金の仏具を買うことで

税効果を期待する人が増えているのです。

この背景には税法上、墓や仏壇・仏具は相続税の非課税であることが

関係しています。

つまり、生前に預金を相続税のかからない金製の仏具に持ち替えているのです。

確かに「金製の仏具」でネットで検索すると、「相続税の究極の節税対策」

との謳い文句で2000万円前後の金製の仏具が多数売られています。

仏壇仏具業界も相続ビジネスで活況を呈している企業が少なくないようです。

ただ仏具の割高感は否めません。仏鈴や仏像には工芸品としての価値が付加

されるため、市場価格は同じ重さの地金の1.5倍~数倍に値段が跳ね上がります。

それでも敢えて購入する顧客が多数いるという事実は、相続税対策として有効

であると世間一般で信じられているからなのでしょう。

また、金・銀等の貴金属のメリットは、不動産や車と異なり、固定資産税など

の維持管理に関する税金がかからないことも支持されている理由なのでしょう。

しかし、仏具なら何でもかんでも非課税であるというのは早計です。

確かに相続税基本通達第12条において、相続税の非課税財産として定められて

います。国税庁ホームページにおいても、相続税がかからない財産として

「墓地や墓石、仏壇、仏具、神を祭る道具など日常礼拝をしている物」と定め

られています。しかし、但し書きで「骨とう的価値があるなど投資の対象となる

ものや商品として所有しているものは相続税がかかります。」とクギが刺されて

いることに注意して下さい。

 

このお話は次週に続きます。

誰しもいつか必ず直面する相続。

世の中すべてのことは前倒しが大切です。今から準備できることはやっておきましょう!

 

 

新年あけましておめでとうございます。

神戸のベスト相続相談協会の岩佐孝彦@税理士です。

2015年が始まり、相続税の計算ルールが大きく変わることに

なりました。税理士として今恐怖におののいています。(苦笑)

基礎控除4割減で相続税の計算するのが今から怖い…(汗)

税金はお金のことを語るうえで、絶対避けて通れない問題です。

日本人としてこれからこの国で暮らしていくならば、否応なく

増税の波にさらされます。消費税、所得税、そして相続税。

近年「年収1000万円でも貧乏人」という話題が週刊誌や雑誌で

よく取り上げられています。

なぜ、年収1000万円プレーヤーが貧乏になるのでしょうか?

その理由は、彼らが額面の給料が上がるにつれて、そのまま支出

を増やしてしまっていることだけではありません。

ここに日本の税制における【累進税率】の問題が隠されています。

累進税率は、所得が高くなればなるほど高い税率が課せられる構造

になっています。

よって、日本では年収が高くなればなるほど相対的に支出を減らして

いかなければ、お金が貯まらない仕組みなっているのです。

しかし人間は弱いもので、年収が高くなるに応じて、例えば年収

が2倍になれば2倍に、3倍になれば3倍と支出を増やしてしまいがち。

これでは、日本の税制の罠にはまっていると言えるでしょう。

事実、内閣府の調査によれば、年収1000万円以上の納税者数は

全体の6.4%に対し、所得税額のシェア41.3%を年収1000万円以上

の納税者で占めています。

つまり、わずか6%の年収1000万円以上の人たちが全体の40%の

税金を負担しているのです。

 

2014年の世界的なベストセラーになった「21世紀の資本」の著者の

トマ・ピケティ教授はこう言われています。

「不平等解消のための良い方法は、民間資産への累進課税だ。

日本は欧州各国より大規模で経済的にはしっかりまとまっている。

一つの税制、財政、社会」、教育政策を持つことは欧州より簡単だ。

だから、日本はもっと公正で累進的な税制、社会政策を持とうと

決めることができる。」

 

累進税率は、所得税だけでなく、相続税にも適用されています。

置かれた環境に不平不満を言うのではなく、いかにそれにアジャスト

していくか? 税制面で今年も知恵を絞ってまいります。

今年もどうぞよろしくお願いします。