こんにちは、神戸のベスト相続相談協会の岩佐孝彦@税理士です。
12月16日に2016年度の税制改正大綱が発表されましたが、
先日【減税メニュー】についてお話しました。
今日は【増税メニュー】です。
増税内容については、あまりふれたくないですが…(汗)
増税メニューとして大きく4つあります。
▼消費税率アップ … 10%(2017年4月より)
赤字でもかかる税金として、税理士泣かせの消費税が
再び上がります。
但し、軽減税率も合わせて導入となります。
お酒と外食以外の食料品と、新聞は8%のまま。
こうなると、経理の現場で頭が痛いのが消費税の計算…(汗)
複数の税率になれば、
商品ごとの税額を把握しないと、きちんと納税額を
計算できなくなります。
よって、事業者を規模に応じ、3グループに分け、
必要な対応を変えます。
★Aグループ … 年間売上高5000万円超
⇒ みなし課税OK(2017年4月から1年限定)
★Bグループ … 年間売上高1000万超~5000万円以下
⇒ みなし課税 or 簡易方式 のいずれか選択OK
★Cグループ … 年間売上高1000万円以下
⇒ 免税OK
詳細の説明は今回割愛しますが、
私たち会計事務所の対応も大変になりそうです…(汗)
ただ会計ソフト業界は儲かりそうですね。(笑)
▼雇用促進税制の対象縮小
前年比 2人以上&10%以上の増員があった場合、
1人当り40万円の税額控除が受けられる制度。
このストライクゾーンが狭められました。
★対象者
《現行》 正社員とパート(労働保険加入者)
《今後》 正社員のみ
★対象地域
《現行》 全国OK
《今後》 雇用環境の悪い地域(有効求人倍率が全国平均3分の2以下)
ただこの制度は、賃上げ促進税制との選択制です。
賃上げ促進税制とは、アベノミクス減税の一つで、
前年より2%(来年は3%)以上アップしていれば、
人件費増加額の10%を税額控除できる制度。
こちらの制度はそのまま継続です。
これからは雇用促進税制ではなく、
賃上げ促進税制の適用を優先的に考えるべし。
▼建物付属設備&構築物の減価償却制度の改正
医院の内装設備などの減価償却年数が長くなります。
《現行》 定率法
《今後》 定額法
定率法の方が定額法と比べて、
より速く、より多く減価償却費を計上できました。
しかし、平成28年4月1日以後に取得する
建物付属設備と構築物から、
上記適用開始となります。
前述のように、アベノミクス減税の目玉であった
『生産性向上設備投資促進税制』による【即時償却】が
来年3月で廃止となります。
大きなハード面の投資は来年3月までが有利な様相ですね。
▼赤字企業に対する外形標準課税
赤字企業への増税負担が重くなる?
しかし、心配ご無用!
この増税メニューは、資本金1億円超の企業限定。
企業全体の99%を占める資本金1億円以下の中小企業
には無関係です。
実は9月に、吉本興業が大幅な減資を実行。
資本金125億円から、1億円に下げたのです。
1億円の減資については、5月にシャープが一度検討。
経営再建中ということもあり、
税制上の優遇措置を狙って実施を検討。
しかし、政府を中心に批判の声が相次ぎ、断念。
結局、5億円の減資にとどめた経緯があります。
どんなに増資しても、資本金は1億円以下にすべし。
この改正項目から、資本金のレッスンをとして学びましょう。
お金は知っているか知らないかで差がつく世界。
今日も資産防衛に知恵を絞りましょう!
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