こんにちは、神戸のベスト相続相談協会の岩佐です。
今日の土曜日から3連休という方も多いと思います。
私どものクライアントでも、この3連休に兄弟一同集まって遺産分割協議書
にサインするという予定の方がいらっしゃいます。
2013年も残り2ヶ月。
相続問題を解決して、すっきり年末を迎えたいところですね。
相続の課題は大きく二つです。税の問題と争族の問題。
ただ私たち士業が事前対策を早めに計画的に進めましょうと
いくら声高に叫んでも、お尻に火が付かないと本気で動けない
のが人間の性(私もそうです…汗)。
ただ相続の危機管理のタイムリミットは【1次相続】の時です。
いつか必ずだれもが直面する相続ですが、やはり実際に体験してみて初めて
ほんとの大切さが理解できるというもの。
父親か母親のどちらかを亡くす、1次相続の時は税制においても
優遇されています。
【配偶者の税額軽減】が使えるからです。
これは下記のいずれか多い方まで配偶者の相続税額がゼロになる制度。
①遺産のうちの法定相続分
②1億6000万円
1次相続の時は、配偶者の存在を活かし、次のように配偶者が財産を
相続するようにすれば税金対策になります。
①遺産総額が3億2000万円以下の場合
⇒ 1億6000万円分を配偶者が取得
②遺産総額が3億2000万円を超える場合
⇒ 配偶者が法定相続分(法定相続人3人なら2分の1)分を取得
このように「配偶者の税額軽減」をフル活用すれば、相続税の負担は軽減OK。
このメリットが1次相続の時は受けられるのです。
しかし、これで安心してはいけません。
大切なのは、1次相続の時にどれだけ【学び】を得ることができるか?
将来の【2次相続】の時は配偶者の存在がくなり、法定相続人は子供だけになるため、
配偶者の税額軽減はもう使えません。
よって、1次相続の時に真剣に2次相続へ向けて税金対策を真剣に考え始めねば
なりません。
それからもう一つ、それ以上に大切なのは「争族問題」です。
1次相続の時は父親か母親のいずれかがまだ健在でいらっしゃいますので、
表面化しなかった争族問題が、親世代が両方亡くなった2次相続の時に勃発
するということはよくあります。
生前や1次相続の時の子供の様子を見て、親世代は「うちに限ってもめるはずがない」
と考えがちです。ただ親の目が黒いうちは子供たちも自我を出さないもの。
実は相続の世界にも【守破離】があります。
「守破離」とは、
かつて宮本武蔵が提唱し、武道の世界における師弟関係のあり方を
説いた考え方です。
▼守 … 師匠に言われたことを忠実に“守る”段階
▼破 … その型を自分に照らし合わせ、自分に合った、より良いと思われる
型をつくることにより既存の型を“破る”段階
▼離 … 型から完全に自由になり、“離れ”て自在になる段階
これは相続の世界でも子供世代に見られることで、
▼守 … 両親の生前の時は両親の教えを守り、静かに見守り、
子供の方から相続対策を言い出すことはない段階
▼破 … 片親の相続を経験し、遺産分割協議書への署名を通じ、
親の全財産内容を把握し、欲(自我)が出てくる段階
▼離 … 両親とも亡くなり残された家族が子供だけになり、
それぞれ家庭を持つ兄弟姉妹同志で遺産分割に関する
自己主張をエゴむき出しで繰り広げる段階
といったプロセスを踏むことが非常に多いのです。
よって、せめて1次相続の段階で子供だけが残されたときに骨肉の争いに
発展しないよう、代償分割シナリオなど色々準備を本腰入れて始めて下さい。
誰しもいつか必ず直面する相続。
明日に向かって、相続を“爽族”にしていきましょう。
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