こんにちは、ベスト相続相談協会の岩佐です。

 

相続の相談を受けていると、遺言書の有無はポイントに
なります。

遺言があるからといって、法的に100%強制力がある
わけではありません。

あくまで故人の希望を記したものにすぎません。

最終的には「遺産分割協議」で相続人の合意がなされて
初めて相続が法的に成立するわけです。

しかし…

身内がお亡くなりになった後の財産分配で遺族間でもめる。

その結果、話がまとまらないということが起こるケースが
あります。

「相続=争族」といわれる所以ですね。

「遺産分割協議」で話がまとまらなければ、家庭裁判所の
調停に持ち込まれることになります。

◎調停の31% … 遺産総額1000万円以下

◎調停の43% … 遺産総額1000~5000万円以下

という統計データがあります。

つまり、財産が少ないからもめないというわけではない。

ここが相続の難しいところですね。

誰が、どの財産を引き継ぐのか?

正直この論点を考えるのに、経済的合理性のモノサシは
当てはまりません。

中小企業の事業承継において、「自社株」という先代経営者
の個人資産を会社経営にタッチする後継者のみが引き継ぐと
いうのは、安定経営の基盤づくりのためにも経済的合理性
で判断することができます。

しかし、一般個人の相続で身内間での財産分配において論理性
をもって合理的判断をするのが難しいのです。

そこで遺産分割協議の際のガイドラインとなるのが、

★遺言書

です。

故人の思いとして「誰にどの財産を引き継がせたいか」という
書面があれば、比較的スムーズに遺産分割協議が進みます。

逆にいえば、遺言書という道しるべなしに遺族同士の思いや
感情だけがぶつかり合えば、話は当然まとまりません。

ただこんな統計データがあります。

2012年の経済産業省の調査データによれば、70歳以上で
遺言書をすでに作成している人はわずか4%とのこと。

その他、

*「作成するつもりはない」 … 34%

*「考えていない・わからない」 … 21%

こういうデータを見ると、高齢化社会の本格的到来を迎える中で
相続が起こるごとに日本中のあちこちで遺族間のトラブルが多発
するのではないかとほんとに心配になります…

何事も平和が一番!

日本人の美徳としてお金のことを真正面から語るのは恥ずかしい
というのがありますが、遺言書を残しておくというのは、去りゆく
人の遺族へのマナーです。

家族のことを大切に思うなら、財産分与のガイドラインは作って
おきましょう。

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